新人手術室看護師へのアドバイス

手術室新人さんへ

手術室に配属され1年以内に心を病んでしまう新人さんや、退職してしまう新人さんになんとなく特徴があるように感じます。

心を病んだり、退職してしまう新人さんの特徴5つ

  1. 早く仕事が出来るようになりたいと急ぎすぎて心と身体のバランスが崩れてしまう。
  2. 自己評価が低く、自分に厳しすぎる。
  3. 先輩と上手く人間関係が構築できなかった。
  4. 急性期病院、手術室に向いていない性格(おっとりしすぎている)
  5. 手術室希望で入職した人。
1.早く仕事が出来るようになりたいと急ぎすぎて心身のバランスが崩れてしまう。

入職して早く1人前になりたいと思う気持ちは分かりますし、頑張る事はとても大切です。しかし、新しい場所、新しい人間関係、新しい仕事に慣れていないうちからオーバーペースで頑張ると必ず心身のバランスを崩してしまいます。職場の人の顔と名前、物品の名前と場所、術式、器械、、ME機器、麻酔看護などなど、新しく覚えないといけない事が想像以上にたくさんあります。それを一気に覚えるのは困難です。100%出来るのは理想ですが、そこまで出来る人はいません。70~80%出来たら上出来だと思います。必ずしないといけない事、例えば期限の近い提出物などを中心に行って下さい。出来たら、自分でやる事リストを作成してゆとりのある期限を設けて少しずつ勉強したら良いと思います。先輩もすぐに出来るようになるとは思っていないのでバランスを崩さないように調整して下さい。4月の目標は、環境に慣れるくらいで良いと思います。

2.自己評価が低く、自分に厳しすぎる。

指導者からみたら、今の段階でここまで出来たらOKというのがあります。自分に厳しすぎる新人さんは「自分は出来ていない。ここが出来ていない。」など自分に厳しすぎる評価をする人がいます。自分で自分を追い込み自己評価を下げていくのは辞めましょう。先輩のように出来るようになりたいと思いますが、その人も長い時間をかけて出来るようになった技術です。すぐに出来ないのは当然です。小さい目標で良いので、「今日は、必要な診療材料を忘れずに準備出来る」「局所麻酔を安全に渡せる」「事前準備を時間内に1人で行える」「挿管介助が安全に行える」など自分の目標を決めて行い、少しずつ出来るようにしていきましょう。そうする事で、今日の自分は昨日の自分よりも成長している事が実感出来ると思います。

3.先輩と上手く人間関係が構築できなかった。

人間関係なので、可愛がられる新人さんと、関わりにくい新人さんがいます。当院の事例では、先輩看護師と上手く人間関係が構築できなかった新人さんが、休憩室や更衣室で先輩看護師が自分の悪口を言っているのをたまたま聞いてしまい、病院に来れなくなり辞めてしまった。という人もいました。人間関係なので価値観が合う人と合わない人がいると思いますが、最低限「挨拶」をしましょう。新人の間は誰かから守ってもらったり教わらないと独り立ち出来ないため、弱い立場になります。「上手に猫を被って」いて良いと思います。私はそうしていました。個性は、2年~3年目の独り立ちをして、1人前になってから出すくらいが良いと思います。そうすると「意外と面白い性格してるんだね」と言われましたが、個性を受け入れてもらいやすいように感じます。

4.急性期病院、手術室に向いていない性格(おっとりしすぎている)

病院にもよりますが、当院は急性期病院の手術室のため緊急手術や急変、合併症を多く抱えてる手術が多くあります。手術件数が多く、万年人手不足のため、毎日バタバタしています。そのため、素早い判断と素早い行動が求められます。とても性格が良く優しくおっとりしている新人さんはその状況に付いていけない人がいます。1年で退職しなくても数年で退職や部署移動になる方もいるし、気合いで頑張っている人もいます。続けれたら良いのですが、手術室に向いていないからダメなわけではありません。適材適所になっていないだけです。性格が優しくいい人はどこの病院も欲しい人材です。「手術介助がバリバリ出来て性格がきつい人よりも、そこそこの介助で性格がいい人の方が良いという」上司も多いです。急性期に向いていなかったら、慢性期に移動するのも一つの手だと思います。

5.手術室希望で入職した人

手術室で希望した人の方が、なぜか退職しやすいと当院では言われています。
最近は医療ドラマで手術の風景が放送される機会が多くありますが、その影響なのか手術室希望の人は増加傾向にあるように思います。ドラマは理想など非現実的な状況が多いので、それにあこがれると現実とのリアリティショックが大きいのかもしれません。現実も楽しい事もたくさんありますが、下積み時代は辛いものです。簡単に修得出来る技術よりも、時間のかかる知識や技術の方が希少価値が生まれるものです。リアリティーショックに負けずに続けてもらえたら嬉しいです。

最後に私の好きな言葉を3つ紹介します

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ことわざより

やりすぎは身の破滅を呼びます。この言葉の通りやりすぎるのは、やらないのと同じくらいよくありません。手術室で独り立ちするのに3年はかかると言われています。焦り過ぎずに上手くセルフコントロール出来るようになって、自分を守って下さい。

 

「己を知り敵を知れば100戦危うからず」孫子の兵法より

私は敵とは自分に立ちはだかる課題だとおもっています。自分の欠点を知って立ちはだかる課題が分かれば必ず乗り越えられると思っています。

「人生は経験。始めたら半分成功。あとの半分はやめないこと。」

イラスト外科セミナー~手術のポイントと記録の書き方~という本のあとがきに書いてあった言葉です。私も10年経過したころにやっといろんな事が見えてきました。続けてやっと理解できる事が沢山あり、沢山の経験をする事で人生が豊になるんだなと思います。

手術室で頑張るのは、無理だと思ったら転職を視野に入れることも大切です

1年に1人は必ずメンタルでお休みする新人看護師さんがいます。
1週間~1ヶ月からお休みして復帰できる人もいれば、そのまま退職になる人もいます。
頑張りたいと思えば、職場の上司は必ず力になってくれると思いますが、もうダメだと自分思ってしまったら復帰するのは困難です。そもそも手術室が嫌だと思う人は、早めに部署移動をお願いするか、無理なら転職を視野に入れることが必要です。
心は壊れしまったら、復活するまでかなりの時間がかかります。壊れる前に逃げ出す勇気も必要です。
転職がハードルが高く、職場の人には相談しにくいと思う人は、転職サイトに登録して相談してみるのも転職の手段になります。数ある転職サイトの中で、一番評判がいいのは看護師の転職サポート マイナビ看護師  です。

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