新人教育で使える基礎知識『気道確保に必要な解剖』

手術室新人さんへ

4月の前半の新人教育で気管挿管介助を挿管人形を借りて、医者役、看護師役に分かれて行いました。実施してみて必要だと思った解剖をまとめました。

毎日行っている気管内挿管の介助。挿管介助の流れや、喉頭鏡、MACグラスの渡し方などを行えば良いと考えていましたが、やはり介助だけではなくせっかくなので、基本知識をパワーポイントで説明してから、実施をしたら良かったなと反省しました。
①基本知識の簡単な講義②気管内管の手順説明と実施③特殊挿管器具(片肺換気用のチューブ・声門上器具)の説明で構成したら良かったなと思いました。プリセプターさん2人が新人さんへ人形で声門上器具の説明をしているのを聞いてたらどの部分に挿入しているのか分かっていない様子でした。えッ!?と思いましたが現実はそんなもんなんだと受け止めました。来年度からは、プリセプターの事前学習と知識の確認を兼ねて、講義の部分をプリセプターに実施してもらおうと思いました。

覚えておくべき解剖

1.気管が前面、食道が後面

2.喉頭蓋、喉頭蓋谷

3.声門

4.披裂軟骨

5.甲状軟骨

6.輪状軟骨

7.甲状輪状軟骨間膜

 

1.気管が前面、食道が後面

・気管内挿管か食道挿管の違いを説明するために必要になります。
輪状軟骨圧迫法(クリコイドプレッシャー:cricoid pressure)を説明する時に必要になります。
・輪状軟骨圧迫法は、輪状軟骨を保持しながら、下に圧迫することにより、食道を閉鎖し、胃内容物の逆流・誤嚥を予防する方法です。

 

2.喉頭蓋、喉頭蓋谷

・喉頭鏡を挿入する時に必要な解剖になります。
・喉頭鏡を掛ける時に、舌を左によけ、声帯を確認し、喉頭蓋を探します。
喉頭蓋の奥(喉頭蓋谷)に喉頭鏡のブレードの先端を進める操作を行います。
挿管介助の医師役をする人は説明するのに必要になります。
・研修医が挿管をしている時に指導医が、「エピグロは見えるか?」と確認をしている声を聴くことがよくあると思います。そのエピグロというのが、喉頭蓋(こうとうがい)Epiglottis(エピグロティス)の事です。

3.声門

・挿管する時にチューブが入っていく場所なので、挿管介助の説明で必要になります。
・Cormack分類を説明する時に必要になります。

4.披裂軟骨

・Cormack分類を説明する時に必要になります。

 

5.甲状軟骨

BURP法を説明する時に必要になる解剖です。

BURP法は、甲状軟骨を後(B)・上(U)・右(R)方に圧迫(P)を行い、喉頭展開時、声門が確認しにくい時に甲状軟骨部分を圧迫介助する事で視野改善をはかる手技です。

・甲状軟骨は一般的に「のど仏」と呼ばれています。

動画

輪状軟骨圧迫法とBURP法の違い

チャンネルはこちらです↓↓

6.輪状軟骨

・これも、輪状軟骨圧迫法(クリコイドプレッシャー:cricoid pressure)を説明する時に必要になります。

・輪状軟骨は上気道の中で、唯一全周性に軟骨が存在するため、前方から後方にある第 5 頸椎に向けて圧迫を加えることで、食道を間接的に圧迫・閉塞して、胃内容が口腔咽頭へと逆流するのを防ぐことができます。

7.甲状輪状軟骨間膜

換気挿管困難(CVCI;Cannot Ventilation Cannot Intubation)になった時は、輪状甲状靭帯

に針を穿刺して気道を確保する事があるためのその説明で必要になります。

 

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