新人さんは1人立ちするまでは、緊急手術に入らないため、フルストマックの患者さんの挿管介助に入りませが、1人立ちすると急患手術に入ります。
毎年恒例ですが、初めてフルストマックの患者さんの挿管介助で麻酔科の先生に怒鳴られビビりまくる新人さん(;゚Д゚)
フルストマックだから迅速導入でいくよ!
首押さえてね!カフは10cc入れてね!
フルストマック?なんで首おさえるの・・?
ちょっと!吸引は準備してる?
もたもたもた・・・・
フルストマックって言ったでしょ!意味分かってる??
ショボーン
毎年恒例なんですが、緊急手術は急に手術介助につかないといけないため、事前に学習できていな新人さんは初めてフルストマックの麻酔導入の介助に付いた時に、麻酔科医師が何を言っているのか理解できず、周りの先輩は忙しそうにしているし、いつもと違う緊迫した状況にチーンとなってしまいます。
フルストマックについては、集合研修では行っていないので全身麻酔を1人立ちをしはじめた頃にどこかで勉強会ができたらいいなと思っています。
フルストマックってどんな状態?
・予定手術の患者は、絶飲食の指示をされています。これは、胃内容物をなくし、麻酔に伴う嘔吐、嘔吐による誤嚥を防止するためです。
・フルストマックとは、予定手術ではない患者。緊急手術で、絶飲食時間が6時間以内の患者のことです。
・イレウスなどの通過障害がる患者の場合は絶飲食時間に関わらず、腸管の動きは止まっていると考えるためフルストマックとして扱います。
・緊急手術患者では、絶飲食時間が6時間を超える場合でも、病気の発症時点(例えば事故発生時)から腸管の動きが低下することもあるので、フルストマックとして扱います。
迅速導入とはどのような導入方法?
迅速導入とは
・麻酔を導入してから気管挿管までの時間を出来るだけ短縮する導入法です。
・静脈経路の確保は出来ているが、絶飲食時間が十分とれていない緊急手術、イレウス、妊婦などのフルストマックが予想される患者が適応される導入法です。
・嘔吐逆流を引きおこすことがあるため、麻酔介助者は、親指と人差し指を用いて輪状軟骨を圧迫し、輪状軟骨と脊椎のあいだの食道を閉鎖して胃内容物の逆流を防止します。挿管直後はすぐにカフを膨らます。
・麻酔導入から約1分~2分で、気管挿管を完了する事が可能となります。
*迅速導入の手順*
クラッシュ導入とは?
フルストマックの麻酔導入時に麻酔科医師から『クラッシュ導入でいくよ!』と話していることを聞くことがあると思います。
しかし、クラッシュ導入という言葉は、おそらく日本のみで使用されている言葉です。正確には、輪状軟骨圧迫を併用した迅速導入の事です。
輪状軟骨圧迫ってどのようにするの?
・輪状軟骨圧迫法(クリコイドプレッシャー:cricoid pressure)はフルストマックの逆流防止のために、輪状軟骨を圧迫する方法です。
・輪状軟骨を母指と示指で3Kgの圧で第 5 頸椎に向けて圧迫を加えます。
・輪状軟骨は上気道の中で、唯一全周性に軟骨があります。そのため、輪状軟骨の後方にある食道を間接的に圧迫・閉塞して、胃内容が口腔咽頭へと逆流するのを防ぐことができます。
注意する事
・覚醒時に行うと嘔吐を誘発する危険性があるため、筋弛緩薬が投与された後に行いましょう。
・甲状軟骨部(のど仏)の圧迫では、食道は閉塞できないので、確実に輪状軟骨部を圧迫することが必要です。
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