Schafers Caliper 知っていますか?

心臓血管外科

大動脈弁形成を行う時に弁尖を計測するために使用していませんか?当院にもずいぶん前からあるのですが、どこをどのように計測しているのかいまいち分からずにいました。弁形成のときに計測している部位難しくないですか?

「医師からサイザー頂戴」と言われた時に「機械弁のサイザーですか?」と返答したら苦笑されて、それから「シェーファース キャリパー頂戴!!」と言われるようになりました。
その時はあの器械が『Schafers Caliper』という名前だとは知りませんでしたが、空気を読んでなんとなく渡したら普通に使用していたので『これはSchafers Caliper 』という器械なのだとその時知りました。いつも通称名で「大動脈弁形成用計測器」と呼んでいたので、本当の名前を知りませんでした。改めてカタログを見てみると「Schafers大動脈弁形成術用手術器械」「大動脈弁用キャリパー」と書いてありました。ただ、この〝Schafers“が何て読むのか、非常に分かりにくいですよね。・・・。

Schafers Caliper とは?

2006年にドイツのSchafers先生により、新しい大動脈基部構造評価法として、特に先生ご自身が提唱する「effective height(eH)」の術中計測デバイスです。

ラージサイズが、315,000円、スモールサイズが282,000円医療器械は高いですね。現在はミディアムサイズもあります。

Schafers先生とは?

Hans-Joachim Schäfers(ハンスヨアヒムシェーファース)(1957年生まれ)はドイツの外科医であり、心臓、胸部、血管の外科医であり、大学の教授です。彼はドイツのホンブルグ/ザールにあるザールラント大学医療センターの胸部および心臓血管外科の部長です。彼は大動脈弁修復、大動脈手術、肺動脈 内膜切除術での活動で知られています。

ウェキペディアより引用

Schafers Caliperについて

Schafers先生は、大動脈基部構造を心エコーで正常範囲を確認する研究と同時に、術中に計測する手法を自己弁温存基部置換術(VSRR)や大動脈弁形成術(AVP)に取り入れました。自己弁の弁高などを計測し、良好な弁接合の指標としてeHの有用性を報告しました

この定量的評価は画期的なアプローチであると同時に、現在注目されているAVPやVSRRときわめてシステマチックに完成へと導くことが出来、両術式が広がるきっかけにもなりました。

しかし、一方でSchafers Caliper による術中計測の難しさが指摘されています。特に最近の4D-CTによる評価が確立されつつある中で、果たして心停止下の術中評価がどこまで信頼性を担保するかについて疑問視する意見もあります。言い換えれば、正確な計測にはある程度の技術が必要で、手術前後で同じ術者が同じ条件で計測する事が大前提となります。

eHは最も重要な指標ですが、絶対的なものではなく、弁尖や基部構造全体を考慮して(大動脈弁形成術)AVPや自己弁温存基部置換術(VSRR)を行う事が重要です。

 

 

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